みなさん、こんにちは。OMSAの新名です。
さる2021年4月11日(日)、OMSA会員のオープニングイベントとして、神奈川大学の杉山教授をお招きしてセミナーを開催しました!
テーマは「職場の発達障害グレーゾーン」です。
OMSAの正式名称は、「一般社団法人 職場のメンタルヘルス支援委員会」という長い名称で、名前のとおり職場のメンタルヘルスを支援する団体として立ち上げたものです。
そんな私たちが、多くの企業の人事の方や管理職の方からよく相談を受けるのが、「職場の発達障害グレーゾーン」に関する問題でした。
「発達障害」という診断を受けているわけではない、もっと言えば本人にも自覚がない(と思われる)、しかし周囲を混乱に招き、本人も疲弊していく、いったいどう対応すればよいのか、といったお悩みです。
さらにその状態が続くことによって、メンタル不調に陥り、休職や離職となることも多いようです。
そこで、そのようなお悩みを杉山先生に相談し、今回のテーマでご講演いただくことになりました。
当日は、企業の人事職の方、管理職の方、キャリアコンサルタントや心理職など外から支援されている方、医師や社会保険労務士などの専門職の方などなど、あらゆる立場の方にお集まりいただき、あらためてこのテーマへの関心の高さを実感しました。
前半は基調講演として杉山先生から「あなたの隣の、あなたの中の発達障害スペクトラムと思考行動スタイル」と題して講演いただきました。
講演の冒頭で杉山先生から『成長や適応の支援という文脈の中では「発達障害」という言葉を使うことはやめませんか?「思考・行動スタイル」と呼んではどうでしょうか?』というご提案がありました。
先生は脳の機能を4つに分類し、それぞれの脳が受け持つ役割をわかりやすく説明し、誰もが同じ脳を持っており、どの脳が優位に使われているかの違いであること、優位になる頻度や時間の長さの違いだけであるということでした。
そして、先生が開発されたアセスメントでも使われる「自閉症スペクトラム傾向」の思考スタイル3パターンと、「ADHD傾向」の行動スタイル3パターンをわかりやすく事例を交えてお話しいただくと、受講者からも「わたしもADHD傾向の自覚があります」といった声が出ました。(わたしもオタク気質なのでADHDの1つのパターンにあてはまることがよくあるなあと感じました・・)
次に、発達障害の社会適応を阻む「4つの誤解」についてお話いただきました。
お話の中でわたくしが特に印象に残ったのは、『「発達」の「障害」である』という誤解と、『コミュニケーションの「障害」である』という誤解です。
「発達障害」は発達の「障害」ではなく、周りが期待している発達との「ギャップ」に過ぎないということ、そして『コミュニケーションの「障害」』は発達障害の特徴に起因する二次障害であるということでした。わたくしも含め、世の中の多くの人が「コミュニケーションに問題が起きている」という認識をしていると思いますが、先生の説明を受けてそれが誤解であることがわかりました。周りが思考スタイルや行動スタイルの個性や違いを理解することでコミュニケーションの問題を減らすことができるのだということです。
後半のワークショップはブレイクアウトルームに分かれて、先生の講義を受講しての感想や今後実践したいことなどを共有しました。
参加者の皆さんから先生に寄せられる質問が途切れず、時間内にすべての質問に答えられないほどで、皆さんの支援に対する熱い思いをあらためて感じさせられました。
ぜひもっとお話を聴きたいという方は、杉山先生の心理学オンラインサロンにぜひどうぞ!
冒頭の先生の「障害」という言葉を使うのはやめませんか?という問いかけを受けて、あらためて自分自身を振り返ると、「障害」という言葉を使うことにより「だから仕方がないんだ」という諦めのような気持ちで接していたのかもしれないと、これからの支援者としての在り方を考え直すきっかけとなりました。
イベントの最後に、OMSA会員についてご紹介し、5月の会員交流会の告知をさせていただきました。
第一回OMSA会員オンライン交流会は、
2021年5月25日(火)20:00~ Zoomにて行います!
ポジティブ心理学のプチセミナーとブレイクアウトルームを活用した交流を考えています。
ぜひ会員登録のご検討をお願いいたします。
詳細はこちらから。